御坂妹「……と、ミサカは例の毛玉生物との遭遇を期待します」
ねこ「にゃー」
御坂妹「やはり、とミサカはミサカ10032号の推論能力に自信を持ちます」
元スレ
御坂妹「段ボール箱の中からにゃーと声がします」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1266496843/
ョイ
御坂妹「捨てられたのですか?とミサカは哀れな毛玉生物に問いかけます」
ねこ「にゃにゃ!?にゃーにゃー!」フー!
御坂妹「……お前もミサカを嫌うのですか、とミサカはこのときばかりはミサカの能力をうらみます」ションボリ
ねこ「にゃ……にゃーん」ペロリ
御坂妹「! お前は賢いのですね、とミサカは空気の読める毛玉生物に賞賛の言葉を投げかけます」
ねこ「にゃーにゃー」
御坂妹「ふむふむ、とミサカは頷きます」
ねこ「にゃーにゃー」
御坂妹「……本当は何を訴えているのかわかりません、とミサカは真実を告げます」
ねこ「にゃー……」
御坂妹「しかしミサカは前回の経験から早急に毛玉生物を保護する必要があると知っています」
ねこ「にゃ!」
御坂妹「まずは名づけが必要です、とミサカは自信ありげに胸を張ります」
ねこ「にゃ?」
御坂妹「サル」
ねこ プルプル
御坂妹「ゾウ」
ねこ プルプル
御坂妹「サバ」
ねこ プルプル
御坂妹「カメ」
ねこ プルプル
御坂妹「なかなかわがままな毛玉生物ですね、とミサカは眉をひそめます」
御坂妹「……名前はトリに決定です、とミサカは反論を許さぬ強い口調で主張します」
ねこ「……ハァ」
御坂妹「さて、せっかくだからイヌに紹介しましょう、とミサカはお世話になっている病院へと足を運びます」
トリ「にゃーん」
冥土返し「ちょっと困ったな……」
御坂妹「困るのですか?とミサカは小首をかしげます」
冥土返し「ここは一応病院なんだよね。基本的に病院に動物を持ち込むことは禁止されてるんだよ」
御坂妹「でもイヌは」
冥土返し「君の精神安定に必要だと思って許可したんだけど……やはり一匹が限度だね」
御坂妹 ショボン
冥土返し「まぁ、知り合いをあたってみたまえ。誰か引き取ってくれる人がいるかもしれないよ?」
冥土返し『引き取り手がいないようだったら僕も覚悟を決めよう。だが一応引き取り手を捜してくれると助かるな』
御坂妹「世話になっている身でわがままを貫き通すほどミサカは厚顔無恥ではありません、とミサカは常識人っぽいところを見せます」
トリ「にゃー?」
御坂妹「しかし、知り合いといっても、この学園都市には少ないのです、とミサカは知り合いの顔を思い浮かべます」
『困ったことがあったら何でも頼れよな!御坂妹!』
御坂妹「……やはり頼りになりそうなのは一人しか思い当たりません」
御坂妹「トリもミサカにだいぶ慣れてきたようですね、とミサカは上条当麻の部屋の前でトリをなでます」
トリ ゴロゴロ
御坂妹「上条当麻、おじゃまします、とミサカは上条家のドアをノック……」
上条「こらー!インデックス!おまえスフィンクスのちくわ食ったろ!!」
禁書目録「えー?しらないんだよ」
スフィンクス「にゃあにゃあ!!」
上条「あああああ!食いしん坊の一人と一匹が上条さん家の家計を圧迫するううう!」
禁書目録「食べたりないんだよ」
上条「やっぱ食べたんじゃないか!!」
スフィンクス「にゃー!」フー!!!
御坂妹「……貧乏人に負担はかけられませんかこのヤロウ、とミサカは出しかけた手をひっこめます」
トリ「にゃー」ペロペロ
御坂妹「慰めてくれるのですか、とミサカは少々感激します」
トリ「にゃっ」
御坂妹「さてどうしましょう、とミサカは首をかしげて悩みます」
御坂妹「あと、この学園都市で知り合いといえば。ちなみに妹達はみな医療施設にいるため却下です、
とミサカは付け加えておきます」
『アンタはわたしの妹なんだから、何かあったら相談に来なさい!』
御坂妹「お姉様、とミサカはたぶん役に立たないであろうオリジナルの顔を思い浮かべます」
トリ「にゃ……」
美琴「あー、疲れたー。……ったくアイツ逃げ足ばっかり速いんだから……ブツブツ」
美琴「ふー、今日は黒子も風紀委員の仕事で遅くなるって言ってたし、一人でのんびりしますか」
ガチャ
御坂妹「お帰りなさいませお姉様、とミサカは華麗にお辞儀をします」
トリ「にゃー」
美琴「」
美琴「な、な、なにしてんのよアンタ!」
御坂妹「お姉様の帰りをおとなしく待っていました、とミサカは状況を報告します」
美琴「うっ、それで、なんかあったの?まさかまた実験再会の兆しとか言うんじゃないでしょうね?」
御坂妹「実は……」
トリ「にゃーん!!」
美琴「!?」
美琴「あ、あ、あ、アンタそれ!」
御坂妹「トリです」
美琴「いやどう見てもねこでしょ ……ねこなのにトリ……プッ」
御坂妹「……」
美琴「へ、へぇ、可愛いじゃない(さわりたいさわりたいでもきっと嫌われる)」
御坂妹「優れもののトリです、とミサカはお姉様の顔にトリを近づけます」
美琴「!?(ビクゥ)……ってあれ?」
トリ ペロペロ
美琴「!!!」
御坂妹「ミサカたちの電磁波にも動じない、優れもののトリなのです、
とミサカはお姉さまと同じく薄い胸を自慢げに張ります」
美琴「何?ケンカ売りに来たの?」
御坂妹「お姉様、冗談にそんなに本気にならないでください、とミサカはトリをお姉さまに手渡します」
美琴「わっ、わっ!」
トリ「ごろにゃーん」
美琴「ほ、ほんとに平気なのね///」
御坂妹「実は今トリを飼ってくれる人物を探しているのです、とミサカは上目遣いでお姉さまを見つめます」
美琴「うっ」
御坂妹「さあさあどうです、とミサカはめったにない優良物件をお姉さまに勧めます」
トリ「にゃあ?」スリスリ
美琴(かわいい……動物に好かれるなんて、二度とないかもしれないわ!でも……)
美琴「ご、ごめんなさい。飼いたいのは山々なんだけど、この寮、ペット禁止なのよ」
御坂妹「そうですか、とミサカはトリと見つめあいながらしょんぼりします」
トリ「にゃー……」
美琴「ごめんね、本当に」
御坂妹「いいのです。事情があって飼えないのはミサカも同じですから、
とミサカは聞き分けのよい妹を演じますコノヤロー」
トリ「にゃー!」
美琴「……」
御坂妹「では失礼しますお姉様。ごきげんよう、とミサカはお別れの挨拶をします」
パタン
美琴「いっちゃった……これでよかったのよね……」
バタン
寮監「御坂美琴!!先ほど寮内をねこを抱えてうろついているという目撃情報が入ったぞ!」
美琴「そ、それはわたしじゃ……」
寮監「ほお、実はわたしも目撃したんだがな」
美琴「」
寮監「覚悟はできているな?」
美琴「不幸だわああぁぁ!!!」
御坂妹「頼りになりそうな知り合いは尽きてしまいました」
トリ「にゃー」
御坂妹「街を歩く人々に善人っぽい人がいたら相談してみましょう、
とミサカは大して期待せずに提案します」
トリ「にゃんにゃん」
ネコミミメイドハサイコウヤデー!
御坂妹「……変態にトリを渡すことなどできません」
モウッ! センセイハレッキトシタオトナデスッ
御坂妹「幼女……にトリの世話は不可能なのではないでしょうか」
ウーイハルッ キャッサテンサンマタデスカ!?
御坂妹「女学生二人組み……ダメですどう見ても頭がお花畑です」
フフフ…ドウセワタシハ……
御坂妹「ん?今何か通りましたか?」
御坂妹「この街にはろくな人間がいませんね、とミサカは毒づきます」
トリ「にゃー……」
ポツ ポツポツ
トリ「にゃ?」
ザー……
御坂妹「雨が降ってきました、とミサカは天を仰ぎます」
御坂妹「……」
ザー……
トリ「にゃー」
御坂妹「雨がやむ気配がありません、とミサカは雨宿りしながらつぶやきます」
ザー……
御坂妹「……病院に戻りましょうか、とミサカは自らの無力さに打ちひしがれます」
トリ「にゃ」ペロペロ
??「雨ー!雨ー!ってミサカはミサカははしゃいでみるー!」
??「おいっ、転んでもしらねェぞ!?」
御坂妹「聞き覚えのある声です、とミサカは振り向きます」
一方通行「チッ、うっとうしい雨だぜ……反射を使えば傘なんていらねェのによォ」
打ち止め「電池の無駄遣いはダメよってミサカはミサカはたしなめてみる」
御坂妹「こんばんは、とミサカは妹達の上位個体と幼女を連れた白い不審者に挨拶をします」
打ち止め「あ!10032号を発見!ってミサカはミサカは指差してみる」
一方通行「誰が不審者だ誰が」
御坂妹「あなたです、とミサカは幼女の手を引く不審者をびしっと指差します」
一方通行「こ、これはだなァ、コイツがうろちょろするから……」バッ
打ち止め「それより見て、ゲコ太のカッパだよってミサカはミサカは一回転」
御坂妹「それは非常にすばらしい、とミサカは目を輝かせます」
一方通行「……ンだァ、お前、リハビリ中じゃなかったのかよォ」
御坂妹「実は理由があってこのトリの飼い主になってくれる人を探しているのです、
とミサカは本日2度目の説明をします」
トリ「にゃー」
一方通行「トリだァ?どう見てもねこじゃねェか」
御坂妹「トリという名前のねこであってトリは実際トリではありません」
一方通行「混乱するからヤメロ」
トリ「にゃー」
打ち止め「わ、わ、かわいー!ってミサカはミサカはなでなでしてみる」
打ち止め「ね、ね、一方通行、ミサカこのねこ飼いたい!ってミサカはミサカは提案してみる!」
御坂妹「!」
トリ「にゃー?」
一方通行「オイオイ、自分の面倒もろくに見れないお子様がねこちゃンを飼うってェ?ふざけンなよ?」
打ち止め「ちゃんと面倒見るもん!ってミサカはミサカは約束する!」
一方通行「いけませン!生き物はおもちゃじゃないンですゥ」
御坂妹(あなたがそれを言いますか……)
打ち止め「どうしても、ダメ?」(グスッ)
一方通行「だーめーでーすゥー」
打ち止め グスグス
一方通行「……」
打ち止め グスグス
一方通行「……あー!わかったわかった!ただし黄泉川を説得するのはオマエだぞ!」
打ち止め「わーい!ってミサカはミサカは小躍りしてみる」
トリ「にゃー」
御坂妹「しかし……」ジー
一方通行「ンだよ」
御坂妹「まさかトリを食用にするつもりでは?とミサカは疑問を呈します」
一方通行「するかっ!」
御坂妹「人肉をもぐもぐしていたあなたの言うことはにわかには信じがたいですが……」チラ
打ち止め「わーい、トリちょーかわいいーってミサカはミサカはぎゅってしてみる」
御坂妹「上位個体に免じて許可しましょう」
一方通行「なんか引っかかる言い方だな」
打ち止め「あ、待ってよー!ってミサカはミサカは……あ、そうだ」
御坂妹「?」
打ち止め「ミサカのカサ貸してあげるね、ってミサカはミサカは微笑んでみる」
トリ「にゃーん」
御坂妹「しかし」
打ち止め「わたしにはゲコ太がついてるから大丈夫なのってミサカはミサカは大威張り!」
御坂妹「ありがとうございます、とミサカはカサを受け取ります」
一方通行「オィ!クソガキ!早くこねェか!」
打ち止め「はーい、ってミサカはミサカは10032号に手を振りつつダッシュ!」
トリ「にゃーごっ!にゃーご!」
一方通行「前見て走れえええェェェェ!!」
トリ「にゃー」
一方通行「しかし、トリっつゥ名前はなんとかならねェのか?
たとえばエターナル・フォース・ブリザード1号とか」
打ち止め「うわぁ」
トリ プルプルプルプル
御坂妹「うわぁ、とミサカはあなたのセンスに反吐が出そうです」
一方通行「なんでだよ、カッコイイじゃねェかよォ!」
御坂妹「……相変わらず騒がしい奴らです、とミサカはひとりごちます……おや?」
ダンボール「にゃー」
御坂妹「……」
ダンボール「にゃー」
御坂妹「まさかまた別の毛玉生物でしょうか、とミサカは偶然の連続に驚きを隠せません」
パカ
土御門「舞夏とケンカして寮に帰りづらいんだにゃー」
パタン
御坂妹「ダンボールは空でした、とミサカは現実を直視することをやめました。さて」
御坂妹「病院に帰ります。そろそろイヌのご飯の時間なのです、
とミサカは帰路に着きます。では、みなさんごきげんよう」
ペコリ
おしまい
64 : 以下、名... - 2010/02/19(金) 01:03:25.77 jSrAAjbf0 37/37正直 >>60がやりたかったのでスレ立てました。
ごめんなさい。
それではおやすみなさい。
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