バキ完全版 7 (少年チャンピオン・コミックス)



























1
 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:27:49.24 ID:blOWH/850
『急がば回れ』 



烈海王は奔(はし)っていた。 

ダダダッ! 

烈(不覚……ッッ) 

烈(私としたことが、神心会での稽古開始時刻を誤って記憶していたとは……!) 

烈(稽古に遅れる拳法家など、言語道断!) 

烈(間に合うか……ッッ!?) 

ダダダダダッ! 

3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:32:17.80 ID:blOWH/850
ザッ……! 

烈「む……」 

烈(ここは、いつぞやの川──) 

烈(死刑囚ドイルを背負い、渡った川だ) 

烈(今のこの足で、走って渡り切れるものか……?) 

烈(できるかもしれぬが、絶対とはいえぬ) 

烈(泳いでいけば容易いが、濡れた身体で道場に足を踏み入れるのは非礼に当たる) 

烈(しかし、遠回りして橋を渡ったなら、稽古開始に間に合わぬのは確実……ッッ) 

烈(どうする……!?) 


4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:36:12.76 ID:blOWH/850
烈「!」ハッ 



少年「いけッ!」ビュッ 

ピッ ピッ ボチャン…… 

少年「あァ~……沈んじゃった」 

父「もっと勢いよく投げて、回転をつけなきゃダメだな」 

川に石を投げて遊ぶ父子。 



烈(これだッ!) 


5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:38:40.55 ID:qkRD1gwX0
まさか回れって… 


6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:38:58.68 ID:s75GTZAZ0
それじゃない! 


7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:40:16.73 ID:blOWH/850
烈(蹴りの遠心力で体重を殺し、濡れた和紙の上を渡り切るという演武……) 

烈(克巳さんも最大トーナメントで披露していたが) 

烈(あの演武における技術と足踏みを組み合わせれば──) 

烈(今の私の足でも、この川を渡り切ることは十分に可能だッッッ!) 

烈(──いざッッッ!) 

チャプ…… 


8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:45:27.70 ID:blOWH/850
高速回転しながら、水面を猛烈な勢いで足踏みする烈。 

ザババババババババババッ! 

烈(うむ……)ギュルルルッ 

ザババババババババババッ! 

烈(イケるッッッ!)ギュルルルッ 

ザババババババババババッ! 

烈(この方法ならば、おそらく30メートルまでなら問題ないッッッ!)ギュルルルッ 

ザババババババババババッ! 



少年「お父さん……人が回りながら川を渡ってるよ……」 

父「ああ……渡ってるな……」 


9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:46:31.94 ID:4GeRMdOs0
ほう… 


11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:48:07.46 ID:P7Oa203j0
やりやがった… 


12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:49:24.87 ID:blOWH/850
ダンッ! 

烈(渡り切った……ッッ)ハァハァ… 

烈「すまぬッ! お騒がせしたッ!」 

少年「イ、イエ……」 

父「こちらこそ……」 

烈(いざ神心会へッッッ!)ダッ 





『急がば回れ』 

急いでいる時は、肉体を高速回転させれば、目的地に早く着くことができるということ。 


13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:55:09.12 ID:blOWH/850
『犬も歩けば棒に当たる』 



町中を歩く烈海王。 

烈(……ほう) 



女「コラ、ちゃんと道のはしっこを歩きなさい!」スタスタ… 

犬「ワン、ワン」トコトコ… 



烈(犬の散歩か……いいものだな) 


14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 22:58:27.38 ID:blOWH/850
犬「ワンッ!」バッ 

女「あっ!」 

犬「ワン、ワン!」ダッ 

女「ま、待ちなさいッ!」 

飼い主の女性がヒモを放したスキに、犬が走りだしてしまった。



烈「む……」 

烈が犬が走っていく方向に目をやると── 


16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:02:37.54 ID:blOWH/850
ブロロロロ…… 



烈(自動車ッ!) 

烈(このままあの子犬が一直線に走り続ければ──) 

烈(子犬が自動車と激突する可能性大ッッッ!) 

烈(やむをえんッッッ!)サッ 

シュルッ…… 

カカカッ! 

ズボンから、かつてドイルに使用した多節棍を取り出し、組み立てる烈。 


17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:07:18.79 ID:blOWH/850
烈「破ッ!」 

ブオンッ! 

グサッ! 

烈が投げた棍は、犬の目の前に突き刺さり── 

犬「キャンッ」コツンッ 

進路を妨害することで、犬の走行を止めることに成功した。 



ブロロロロ……! 

そのすぐ前方を、自動車が走り去っていったことはいうまでもない。 


18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:11:35.22 ID:blOWH/850
女「あの……ありがとうございました!」 

烈「礼には及びません」 

烈「しかし、犬の散歩をする時はくれぐれもご注意を……」 

女「は、はいッ!」 

犬「クゥ~ン……」パタパタ… 

女「もォ~……勝手に走りだしちゃダメでしょ!」 

烈「では、私はこれで……」ザッ… 





『犬も歩けば棒に当たる』 

犬が危機に陥った時は、どこからともなく棒が飛んできて助けてくれるということ。 


22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:17:22.11 ID:blOWH/850
『逃がした魚は大きい』 



フェリーで海を観光する烈海王。 

烈(ふむ……) 

烈(たまにはじっくり海を眺めるというのもいいものだ) 

烈(海は、全ての生命の源ともいわれる……) 

烈(こうして海を眺めていると──) 

烈(地球誕生から現代までの悠久の流れを、この五体にて感じ取ることができる) 

キャァァァ…… ワァァァ…… 

烈(何事か?) 


24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:21:35.00 ID:blOWH/850
烈「どうされましたか」 

観光客A「あんなところにでっかい鮫が……!」 

観光客B「こんな小さなフェリーじゃ、もし襲いかかられたら……!」 

烈「…………」 



ザザザッ…… 



烈(あれは……ホホジロザメ) 

烈(ヒレから察するに……サイズは5メートルから6メートル、といったところか……) 

烈(危険だな……) 


27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:26:10.06 ID:blOWH/850
烈「皆さん、ご安心を」 

観光客A「え?」 

観光客B「いったいなにを……」 

烈はフェリーから足を出すと── 

烈「噴ッ!」ブンッ 



バッシャァンッ! 



震脚の要領で水面を力強く踏みつけた。 

すると── 


29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:27:32.97 ID:bObJ7mgC0
>烈「噴ッ!」ブンッ 

屁でもこいたのかと 


30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:30:47.64 ID:blOWH/850
サメ「!」ピクッ 

ザザザッ…… 



観光客A「オオッ!」 

観光客B「逃げていく!」 



烈が起こした衝撃の大きさに驚いたのか、 

あるいは衝撃を起こした本人の戦力に驚愕(おどろ)いたのか── 

巨大ホホジロザメは海の彼方に逃げ去ってしまった。 



烈「もはや、あのサメがこの海域に近づくことはないでしょう……」 





『逃がした魚は大きい』 

中国武術を極めれば、巨大な魚を寄せつけずに撃退できるということ。 


32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:36:33.99 ID:blOWH/850
『帯に短したすきに長し』 



神心会本部道場にて、道着に着替えようとする烈海王。 

烈「…………」ギュ… 

ブチッ…… 

烈「む……」 

克巳「あらら……帯が切れちゃいましたね」 

克巳「その長さじゃ、帯にもたすきにも使用(つか)えないでしょう」 

克巳「ちぎれた帯はウチで処分しますから──」 

烈「イヤ……」 

烈「今日は少々予定を変更しましょう」 

克巳「え……?」 


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:40:48.30 ID:blOWH/850
稽古開始── 

烈「ハイィィィッ!」 

ビュババババッ! 

ビュバッ! 

バババババッ! 

鮮やかな帯(?)さばきで、周囲に置かれたガラス瓶を切り裂いていく烈。 

烈「破ァッ!」 

バシュッ! 

最後のガラス瓶の頭も、ふっ飛んでしまった。 

オォ~……! 

克巳「スゲ……」 


34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:45:39.95 ID:blOWH/850
克巳「おみごとです、烈さん」パチパチ… 

克巳「まさか、ちぎれた帯がここまで鋭利な武器になるなんて……」 

克巳「中国武術の真髄、堪能させてもらいました」 

烈「ふむ、ちょうどいい機会だ」 

烈「今日は予定を変更して、帯の武器化について講義いたしましょう」 

克巳「よろしくお願いしますッ!」ザッ 





『帯に短したすきに長し』 

帯として巻くには短く、たすきにするには長い布は、鞭として活用できるということ。 


36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:51:38.97 ID:blOWH/850
『仏の顔も三度』 



ある寺院にて── 

先輩「いいか? 絶対キズつけるなよ」 

先輩「もしキズつけちまったら、とても弁償なんかできねえからな」 

業者「ワカってますってェ~」 

業者「俺だって初めてじゃないんスから……」 

ガラガラガラ…… 

高価な仏像を、台車で注意深く運ぶ業者。 


37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:55:13.32 ID:blOWH/850
しかし── 

猫「ニャァ~ン」ダッ 

業者「ウワァッ!?」ビクッ 

グラッ…… ゴトン…… 

業者「し、しまった……ッッ!」 

業者(早く起き上がらせないと……)ゴトッ 

業者「!!!」 

業者(仏像の顔が……ヘコンでる……ッッ) 


39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/06(月) 23:59:22.11 ID:blOWH/850
業者(ああ……もう終わりだ……!) 

業者(どうすれば……ッッ)ガクッ 

ザッ…… 

烈「オヤ……?」 

業者「!」ギクッ 

烈「どうかなされたか」 

業者「イヤ……あの……!」 

業者(寺の人!? いや、ちがう……カンフー映画!? 中国人!?) 

たまたま寺を参拝していた烈海王であった。 


40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:07:21.46 ID:blOWH/850
烈「ふむ……運び入れるハズの仏像を誤ってヘコませてしまった、といったところか」 

烈「ここで出会ったのも、なにかの縁」 

烈「私にお任せを」 

業者「え……ッッ」 

業者(お任せを……って、このカンフー兄ちゃん、いったいどうする気だ……?) 

業者(まさか、ヘコんだのなら、いっそ壊しちまおうとかいうんじゃ……) 

烈「噴ッ!」シュッ 

ゴッ! 

業者(マジで!?) 


41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:10:22.56 ID:uKYOkO8V0
業者「チョ、チョットアンタ……仏像に拳なんか……ッッ!」 

烈「破ッ!」ドリュッ 

ガンッ! 

業者「や、やめッ──」 

烈「斗ォッ!」ボッ 

ドンッ! 

業者「ア~~~~~~~~~~~~~~ッッッ!」 

業者「……ン?」 


42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:14:22.17 ID:uKYOkO8V0
業者「な……直ってる……ッッ! 仏像のへこみが……キレイサッパリ……」 

烈「私はこれにて……」ザッ… 

業者「ありがとうございますッッッ!」 



仏像『やれやれ……』 

仏像『こんな荒療治を受けるとは、思わなかったぞ』 

仏像『まァ……男前が戻ったということで、今回は許しておいてやろう』 





『仏の顔も三度』 

たとえ仏の顔がへこんでしまっても、三度殴れば元通りになるということ。 


43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:20:38.66 ID:uKYOkO8V0
『鬼に金棒』 



夜、繁華街にて── 

刃牙「でさァ~……」 

梢江「へぇ~……」 



不良A「アイツがバキか……」 

不良B「あんなガキを、花山の大将や柴さんが認めてるだと? 信じられねェ……」 

不良A「ま、ウワサが真実にしろフカシにしろだ」 

不良A「アレをやりゃあ、俺たちの名が上がるってのは間違いねェ」 

不良A「今は女ツレてるし……後ろからバットでやりゃイッパツよ」ズイッ 


44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:24:42.85 ID:uKYOkO8V0
烈「やめておきなさい」 

不良A&B「オワッ!!?」ビクッ 

不良A「なんだァ……てめぇ……?」 

不良B「中国人……?」 

不良A「やめておきなさい……ってもしかしてアンタ、バキ君を守ろうっての?」 

烈「逆だ」 

烈「君たちを守りにきた」 

不良A「フゥ~~~~~ン」ピクピクッ 

不良B「じゃ……守ってもらおうじゃないの……」 

不良A「オラァッ!」ブオンッ 

不良B「シャアッ!」ブウンッ 


45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:29:50.51 ID:uKYOkO8V0
カカッ! 

不良A&B「…………ッッ」 

不良A(金属バットが……折れたんじゃない。切断(きれ)た……) 

不良B(人間じゃねえ……!) 

不良A&B「ヒエエ~~~~~ッ!」タタタッ 

烈(たかが金属バットで、あの鬼の血をひく範馬刃牙に挑もうなどと──) 

烈(勇気というよりは無謀……否、無謀というよりは無知、か) 





『鬼に金棒』 

素人が金棒を持ったところで、鬼には到底かなわないということ。 


47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:35:09.04 ID:uKYOkO8V0
『二階から目薬』 



あるマンションの下を通りがかった烈。 

ビュオォォォォォ……! 

烈(む……突風か。目に少しゴミが……)ゴシゴシ… 

すると── 

「ねえねえ、おじちゃーん」 

烈「!」 


48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:36:57.41 ID:6ye6h92yO
容易に想像できておもしろいなw 


50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:38:23.24 ID:uKYOkO8V0
烈が上を向くと、二階のベランダに母子がいた。 

幼児「ボクが目薬さしてあげる~!」キャッキャッ 

烈「…………」 

母「コラッ、変なこといわないの!」 

母「すみません、子供のいうことなんで気にしないで──」 

烈「かまいません」 

母「え……ッッ」 

烈(無垢なる少年の好意──拳法家として無下にはできぬ) 

烈「そこから目薬を落としていただいて、一向にかまいませんッッッ!」 

母「~~~~~~~~~~ッッッ!」 


51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:40:24.03 ID:ITkkaz0IO
~~~ッッッッッ 


52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:43:24.12 ID:uKYOkO8V0
幼児「じゃあ、いくよ~!」 

ピチョンッ…… 

幼児の握る容器から落とされた薬液の滴(しずく)── 

常人ならば視認することすら困難であろうが、 

常日頃から鍛錬を欠かしていない烈海王の動体視力には、 

まるでスローモーションのように感じられた。 

しかし── 

ビュアッ! 

烈(再び突風ッ!) 

滴は風にあおられ、5メートルは横に吹き飛んでしまった。 

烈(間に合うッ! 間に合わせてみせるッ!)ダッ 


53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:47:28.75 ID:uKYOkO8V0
ズザザッ! 

まるで野球のスライディングのように、仰向けに地面に滑り込んだ烈海王。 

烈の右目は、少年が落とした滴を見事にキャッチした。 

ムクッ…… 

烈「謝々(アリガトウ)……」ペコッ… 



幼児「カ、カッコイイ……」 

母「……でも、マネしちゃダメよ」 





『二階から目薬』 

拳法家にとっては、二階から落ちてくる目薬を目で拾うことも容易いということ。 


54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:49:01.12 ID:dfTWYKXw0
カ、カッコイイ…… 


56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:52:38.38 ID:L4fiOgLJ0
……でも、マネしちゃダメよ 


57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:53:30.20 ID:uKYOkO8V0
『情けは人の為ならず』 



町を歩く烈海王。 

ブロロロロ……! 

ガタンッ! ドザザザザッ……! 

烈「!」 

トラックに積んであった土嚢が、道路に崩れ落ちてしまった。 

キキィッ…… 

運転手「アッチャ~……他の車が来る前に、積み直さないと!」ダダダッ 


58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:53:48.88 ID:/Bwnvpul0
拳法家って凄い 


59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:54:30.95 ID:ImyLCsr30
たまにこういうスレがあるからやめられん 


60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 00:56:36.87 ID:uKYOkO8V0
烈「手伝いましょう」 

運転手「ありがとう! 助かるよ!」 

烈「…………」ヒョイッ 

運転手(すげェ……指の力だけで土嚢をつまみ上げてる……)

運転手(一袋20キロはあるってのによ……) 

烈のおかげで、あっという間に土嚢は積み終わった。 

運転手「本当に助かったよ!」 

烈「礼には及びません」 


61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:00:34.37 ID:uKYOkO8V0
運転手「しかし、それじゃ俺の気が──」 

烈「かまいません」 

烈「失敬」ザッ… 

運転手(いったい何者なんだ……プロの格闘家かなんか?) 



烈(フム……よき鍛錬ができた) 

他人のピンチを、ピンチ力(物をつまむ力)の鍛錬に生かす烈であった。 





『情けは人の為ならず』 

他者に情けをかけることは、己の武を高めることに繋がるということ。 


62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:06:48.48 ID:uKYOkO8V0
『年寄りの冷や水』 



中国武術師範、烈海王氏はこのように語っている。 

烈「周辺の環境を武器と成す──」 

烈「行住坐臥全て戦いといえる武術家にとっては、必須の技術といえるでしょう」 

烈「この分野の第一人者といえば」 

烈「環境利用闘法の師範、ガイア氏などが挙げられるでしょうが……」 

烈「我、中国武術界の長老、郭海皇もまた環境の武器化には秀でております」 

烈「私も先日、老師に教えを受けましたが、それはもう……」 

……… 

…… 

… 


64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:11:50.85 ID:uKYOkO8V0
郭「烈よ」 

郭「このように、柔らかく頼りない“水”ではあるが」チャプ… 

郭「使いようによっては、とてつもない武器になる」 

烈「はっ……」 

郭「例えば──」 

郭「こうッッッ!」シュッ 

パァァァンッ! 

消力(シャオリー)の要領で、手首にスナップをきかせ、壁に水を投げつける郭海皇。 

烈「…………ッッ(石の壁にヒビがッ!)」 


65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:15:38.60 ID:uKYOkO8V0
郭「さらに──」 

郭「目に当てれば目潰し、気管に叩き込めば呼吸困難に陥らせることもできる」 

郭「涙穴に鋭打すれば、地上で“溺れさせる”ことも可能じゃ」 

烈「ナルホド……」 

郭「しかも水といっても、なにも“水”でなくともよい」 

烈「……といいますと?」 

郭「よ~するに、液体ならなんでもよい」 

郭「汗でも、涙でも、唾液でも、胃液でも、血液でも、尿でも、精液でも……」 

郭「日頃我々が何気なく垂れ流してるモノは、実は大きな武器というわけじゃ」 

烈(ナ、ル、ホ、ドォ~……) 


66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:17:15.35 ID:ITkkaz0IO
武術の勝ち 


67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:20:26.77 ID:uKYOkO8V0
… 

…… 

……… 

烈「教えを乞いつつ、私は改めて郭老師の恐ろしさを思い知りました」 

烈「あの方ならば……郭海皇ならば、使うでしょう」 

烈「勝利に必要とあらば、迷わず使用(つか)うでしょう」 

烈「必要とあらば──水でも体液でも、なんでもッ!」 

烈「それが武というものなのですから……」 





『年寄りの冷や水』 

水を得た老人は非常に危険だということ。 


68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:26:11.38 ID:uKYOkO8V0
『火のないところに煙は立たぬ』 



神心会本部── 

克巳「──以上ッ!」 

克巳「本日の稽古はここまでッッッ!」 

門下生A「オスッ!」 

門下生B「館長、勉強させていただきましたッ!」 

門下生C「ありがとうございましたァ!」 


70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:30:13.78 ID:uKYOkO8V0
克巳(ふぅ……今日のところはこんなもんかな) 

克巳(あとは自主練でも──) 

克巳「!?」 

ある部屋の扉から、白い煙のようなものが漏れ出していた。 

克巳(なんだいありゃ……) 

克巳(まさか──火事ッ!?) 

ガラァッ! 

勢いよく扉を開ける克巳。 

すると── 


74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:35:20.22 ID:uKYOkO8V0
克巳「…………」 

克巳「烈……さん……?」 

烈「む」 

モワァ~…… 

克巳(今の煙の正体は──) 

克巳(烈さんの体から流れる汗が気化してできた、湯気だったのか……ッッ) 

克巳「站椿(たんとう)ですよね……。いったい何時間そうして……」 

烈「数えていない」 

克巳「ハハ……さすが!」 


75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:40:33.30 ID:uKYOkO8V0
克巳「どうです……?」 

克巳「こっちも門下相手の稽古が終わったところなんです」 

克巳「組み手でもしませんか?」 

烈「私はかまわん」 

克巳(俺は腕、烈さんは足を失ったが──) 

克巳(烈海王の炎のような闘気は未だ健在、だな) 

克巳(俺も見習わなきゃなァ……) 





『火のないところに煙は立たぬ』 

煙を立たせることができる武術家は、もはや炎であるということ。 


76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:41:04.91 ID:uKYOkO8V0
以上で終わりです 
ありがとうございましたッ! 


77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:41:30.59 ID:c1NoMjG60
まるで意味がわからんぞ 


78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:43:39.72 ID:dfTWYKXw0
面白かった 


79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:44:22.11 ID:b9NJJofE0
こいつのボクシングどうなったんだよいい加減にしろ 


80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2014/01/07(火) 01:52:58.13 ID:il3koV7O0
面白かった乙 


転載元

烈海王「この私が、ことわざの真の意味をお教えしようッッッ!」

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1389014869/